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第8話:在宅医療/訪問診療クリニックの開業に必要なお金について考えてみる

第8話:在宅医療/訪問診療クリニックの開業に必要なお金について考えてみる

赤井 角:今回は在宅医療/訪問診療クリニックを開業する際に必要な「お金の準備」についてです。お金に関するキーワード、キャッシュベース、単月黒字、累積黒字については「知っておきたい経営キーワード編」で解説しているので、まだ読んでいない方はぜひチェックしてみてください!

Dr.カン:赤井君、今月働いた分のお給料は2ヶ月後に支払いますね。

赤井 角:突然なんですか(怒)。困りますよ、2ヶ月後まで生活できません!

※本記事はDr.カンの経験をシェアするものです。よって記載内容は開業した2012年時点の情報になります。あらかじめご了承ください。

かなり重要→「お金が入ってくるのは2ヶ月後」

Dr.カン:ごめんごめん(笑)。でも「今月働いた分が2ヶ月後にしか入ってこない」というのは病院やクリニックを経営する上では重要なことなんですよ。診療報酬制度は知っていますよね。

赤井 角:あ、診療報酬制度。確かに制度上、今月患者さんを診た分は2ヶ月後にしか入ってきませんね。2月の診療分は2月末にまとめて審査支払機関に請求して4月の末に入ってきますね。うん?その間にかかる費用、例えばボクのお給料や、車のガソリン代、駐車場代、あ、オフィスの家賃も。たくさんのお金を払っていますよね。あれは院長が立て替えているんですか??

Dr.カン:そうなりますね。診療時に患者さんから一部負担金をいただきますが、大半は2ヶ月後に入ってきます。開業するときには資金を準備しますが、「開業してもお金が入ってくるまで2ヶ月かかる」ということを意識しておかないと計画が狂います。

赤井 角:最初は患者さんも少ないので、入ってくるお金も少ないですしね。

Dr.カン:そうです。患者さんが増えてきて軌道に乗ったかな?と思っても、実際に報酬が入るのは、2ヶ月後になります。その間の運転資金も確保しておかないと、患者さんがたくさんいるのに、お金がなく往診できない診察できないという事態に陥ってしまいます。

赤井 角:黒字倒産、夜逃げ……。

Dr.カン:以前、累積黒字についてお話ししたときに使った表を、もう一度見てみましょう。

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赤井 角:表の一番上、単月収入(キャッシュベース)を見ると……。4月に開業してから初めてお金が入ってきたのが6月ですか、しかも5万円……。10月から400万円以上の収入になっていますが、これは8月に患者数が増えて安定してきたということですね。

Dr.カン:はい、8月になって少し安心しましたが、ここで気を緩めてお金を使ってしまうと経営が危なくなるのでグッとこらえました。

赤井 角:表の一番下、累積損益(キャッシュベース)を見ると、7月のマイナス997万円が赤字の最大値ですね。ということは……みどり訪問クリニックが開業に必要なお金は1000万円だったんですね。

Dr.カン:結果的にそうですね。診療の質は落とさないという大前提で、無駄なお金が出ていかないように、締めるとこは締めていましたから。

赤井 角:院長のお給料も減らしたんですか?

Dr.カン:いやいや、減らしたどころか、累積黒字になるまで無給ですよ。

赤井 角:えー!そうだったんですか!では、開業資金1000万円に加えて、累積黒字化までの自分の生活費を確保しておく必要がありますね。

Dr.カン:そうだね。生活費の確保は重要ですね。あ、そうそう、これはあくまで、みどり訪問クリニックのケースです。当クリニックよりも設備にお金をかけたり、スタッフを増やしたりすると、その分だけ資金が必要になります。また、生活費にお金を使いがちな先生であれば、いきなり生活水準を落とすことはできないと思いますので、その分貯蓄しておく費用があります。

赤井 角:院長のお話を聞いていると、「どのくらいのお金を準備しておけば在宅医療/訪問診療クリニックを開業できるのか?」という問に対する答えは、「開業する先生の支出コントロール能力、つまり出ていくお金をいかに少なくする工夫ができるか?」に左右される、というワケですね。

Dr.カン:はい(なんか今日の赤井君は理解早いな)。でもそれでは漠然としているので、「1000万円で開業できた、みどり訪問クリニックでは、このような取り組みを行いました」という事例を紹介していければと思っています。

赤井 角:(お金の話には真剣になるのです)なるほど、みどり訪問クリニックのケースを提示することによって、読んでくださっている方に「これはもっと工夫できるよ」とか「これは無理だな」なんて判断していただき、自分が開業するときに必要な予算感をイメージしていただこうってワケですね♪

Dr.カン:(お金以外のことには手を抜いているというワケか)そうですね。ネット上なので詳細な財務資料までは提示できないのが残念ですが、見学に来ていただければ説明します。この場ではもっと大枠なところを知っていただき少しでも在宅医療/訪問診療クリニックの開業に興味ある方、在宅医療/訪問診療クリニックの経営に興味ある方に私の開業経験をシェアできればと願っています。

赤井 角:おおー、それでは次回は「開業場所」についてお願いします。飲食店とかも立地によって収入が変わりますもんねー。場所の選定は重要ですよね。

Dr.カン:了解!

第8話のまとめのヒトコト
「開業資金は、やりくりをうまくすれば1000万円以内におさめることは可能!」
 

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