開業物語

赤井 角:院長!新しい往診車をGETしてきましたぜ!なーに僕のダークでブラックな裏の顔を見せて5000円も値引きさせました。

Dr.カン:(なんかキャラ変わったな・・・)5000円・・・、ま、いいでしょう。しかし赤井君の、その・・・黒ずくめの衣装はなんですか?

赤井 角:なんとなく気分です、夜に向けて。

Dr.カン:(夜?意味不明だな)はい、そうですか。とにかく制服に着替えなさい・・・。

赤井 角:院長、みどり訪問クリニックは紺のポロシャツが制服ですよね。なぜ白衣ではないのですか?医師といえば白衣では?ま、僕は医師でないですが。

Dr.カン:(たまにはいいこと言いますね)白衣を着るか否かについては議論されていて一概には言えませんが、みどり訪問クリニックでは白衣を着ないことにしました。

赤井 角:「白衣シンドローム」。医師(=白衣)の前では緊張して正確な血圧値がでないという・・・。

Dr.カン:ま、それもありますが(赤井君、勉強しだしたねー、中途半端だけど)、それだけではありません。地域によっては、「お医者様がわざわざ自宅まで来てくださった!」って、それだけで患者さんの心の支えになることもあります。そんな地域ではやはり医師のシンボルである白衣は必要だと思います。一方、病院が嫌で自宅に戻った、という患者さんにとっては白衣が嫌悪感の対象になる場合もあります。ですから一概には判断できないと考えています。

赤井 角:あくまで、統計データや論文ではなく、往診エリアの患者さんの気持ちに配慮しましょうと。

Dr.カン:そうですね(今の、いい発言です)。なぜ白衣を着るか?それは清潔感が直感的にわかるアイコンだからです。では、白衣を着ない方が患者さんのためになる地域ではどうしたらいいのか?そこを考えるのが重要だと思います。

赤井 角:清潔、ですか。

Dr.カン:はい。みどり訪問クリニックの往診エリアでは白衣を着ない方がよいと判断しました。しかし医師が勝手な格好で往診したら・・・。服装の趣味は人それぞれですので、指摘すると個人批判につながりかねません。

赤井 角:で、あれば、せめて制服をと。

Dr.カン:そうですね。制服といってもポロシャツですが。

赤井 角:ポロシャツといえども、こだわりがあるのでは?

Dr.カン:はい。在宅医療/訪問診療の場合、外での活動がメインになります。

赤井 角:あ、快適に過ごせるようにポロシャツですか!

Dr.カン:いやいや(苦笑)。ポイントは「着替えの調達が容易なこと」です。在宅医療/訪問診療は患者さんのご自宅が診察室であり時には簡単な手術にもなります。診察やオペで服が汚れるのは仕方ない、しかし、汚れた服で次の患者さん宅を訪問するのは・・・。

赤井 角:NGですね。

Dr.カン:はい、その通りです。予備の服をコンパクトに持ち運べること、万が一予備を使い果たしても調達が容易なこと。そこがポイントです。あとは、靴も大事です。患者さん宅に上がるので、玄関には我々の靴が並ぶことになります。ご家族の方は意外と見ているものです。

赤井 角:では高級ブランドの革靴がベストなんですかね?

Dr.カン:そこまでしなくても(笑)。「清潔」がベストです。屋外での活動なのでソールの厚いランニング・シューズが便利です。ただし、同じシューズを毎日履いていると痛むのが早いので、同種類のモノを複数購入して、ローテーションさせています。

赤井 角:えー(驚)、そうだったんですかー。院長はいつも同じシューズを履いている割には汚れないなーと思っていたんです。影武者が複数いたんですねー。

Dr.カン:影武者・・・。

赤井 角:とにかく、「前の患者さん宅で汚れてしまって・・・」なんて言い訳はNG!患者さん宅の訪問は、常に手術室に入るくらいの気持ちで臨む。そのためには清潔な影武者を用意しておく!ってことですねー。

Dr.カン:うん?赤井君、珍しくまとめに入っていないか?要は、往診医は「清潔感のあるアスリート」であるべきなんですよね。

赤井 角:今日は、お気に入りのマフィア映画が地上波初放送なのですよ。早く帰りたいだけです!

Dr.カン:(だから朝から黒ずくめの服装だったのか)。はい、お疲れ様、お帰りください。

 

第13話のまとめのヒトコト

「往診時の服装は、白衣以外を選択するのなら『清潔感』、『動き易さ』、『代替の容易さ』を意識する。」

在宅医療に関連するモノについては、こちらもチェック!

在宅医療モノ語り